読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

読みを言葉に

図書館へ通い続ける語彙力無子の日記

安全靴とワルツの感想

小説 森深紅

「安全靴とワルツ」
著者:森深紅

安全靴とワルツ

安全靴とワルツ

 

タイトルに惹かれて読んでみました。
話の内容的に普段なら読みそうにないタイプのお話でした。

~あらすじ~
主人公の敦子は自動車メーカーの工場で常に作業着に安全靴で仕事をしていた。
ある時、現場では敵対していた本社への出向を命じられる。
そこは会議や事務仕事といった、現場を「動かす側」の人たちの仕事場で、同僚となるバイリンガルなOLマナや、仕事に対して一直線のクールビューティーの智江など、恋に仕事にてんてこ舞いな毎日を送る。


この話は考えさせられた。
現場という実際に作業をしている人間と、効率や生産性を追い求めて指示をする側の本社の人間。そして敦子は現場から本社へと移ったものの、どちらの立場も分かる事から苦しい思いをする事になる。
私自身も、会社で営業として入社して、現在は異動して管理事務として働いているので、現場の営業マンの気持ちは痛いほど分かるし、こういう時は私たちの事憎んでいるんだろうなあとか分かってしまうのが辛い。

後、「靴」が話の流れに所々絡んでくるのだが、その流れが好き。
オーダーの靴を作ってくれる店主さん、その靴を買いに来る敦子の上司、そして店主の息子さんはなんと・・・・!!

靴って人の心を動かせるんだね。
私も素敵な靴をそろそろ買おうかな。素敵な人の元へ連れてって欲しいので(^o^)丿←



トイレのポツポツは裏切らなかった

小説 原宏一


「トイレのポツポツ」
著者:原宏一

トイレのポツポツ

トイレのポツポツ

 

 私は2パターン好きな本がある。
①最後がハッピーな締めくくり
②本の表紙がフラグ回収してくれる

先日紹介していた「春を嫌いになった理由」

asumodokusyo.hatenablog.jp

 は完全に②でした。


~あらすじ~
派遣社員の白石は、ある日、同じ職場の営業部長である田布勢から一通のメールを配信するように命じられる。内容は「用を足す際は性器を持って一歩前へ」という内容。当然、セクハラだとして問題視される。
このメールによって、社内はあらぬ方向へ動き出す。


何というか、最初は凄く胸が苦しかった。
短編小説ではないのだが、1章ずつでお話しがまとまっていて、主人公は毎回別の人。
舞台が鴨之木製麺所という会社で、その中の広告部や経理、事務や営業など、組織ならではのドロドロとした闇も見えた。
途中「この話は誰も救われないのではないだろうか」という不安で読むのが嫌になりそうだった。

特に、田布勢部長は一生懸命だけど言葉足らずで、不器用なばかりにセクハラの槍玉にあげられ、そして引きずりおろされて会社を辞めてしまう。白石はそんな不器用さに気が付いていたのに、自分に対するセクハラと称されて辞職をさせてしまった事に罪悪感を感じる日々を送る事になる。

最後が報われていて本当によかった・・・よかった・・・・!!(泣


この本の主人公は白石だけれども、陰の主人公は田布勢さんだと思う!!
本のタイトルもそうだし、複線回収してくれるのも田布勢さんだもの。

スッキリと読める1冊でした。

 

WILLは人間味のある作品

小説 本多孝好


「WILL」
著者:本多孝好



私は本多孝好作品の最後の締め方が好きだ。
中身を読む前から既に「最後が幸せなはず」と考えて読んでしまう。
勿論、期待は裏切られなかった。

~あらすじ~
今回の主人公は商店街の片隅にある葬儀屋の女店主である森野。
父親が経営していた葬儀屋を父なき後、そのまま引き継いでいる。
メインは商店街の人たちと、その商店街にある文具屋の息子の神田(アメリカ在住)、そして葬儀店のスタッフ達。
森野は「死者を眠らせるのが役目」だと思っている為、昔葬儀をあげた遺族の依頼を引き受け探偵の様に解決に導いていく。(主人の生まれ変わりを名乗る少年や葬儀のやり直しを要求する女等)


私は今回「WILL」から読んでしまったのだけれども、これ続編なんです。
本当は「MOMENT」から読むのが時系列的にはわかりやすいと思う。でも、WILLから読んだ私でも、全然楽しく読めたので、WILLだけ読むのもありだと思う。
MOMENT→メインは神田で、WILLから7年前の話。
ちなみに「MEMORY」という続編も出ております。こちらは高校生時代の話と大人になってからどちらも混ぜ混ぜなので、両方読んだ後の方が分かり易いかも。

今回は渡米してしまった神田との淡い恋の模様が国際電話を通じて伝わるシーンが多めだった。7年前のMOMENTでは描かれていない世界!大人になったのかしら。

森野は凄く口も悪くてキツめな部分が多いのだけれども、両親が学生の時に亡くなって、その後一人で生きてきて、尚且つ葬儀店を継ぐなんて考え付かないよね。
きっと神田はそういう森野の部分にも共感しているのでしょう。
そしてその様子をずっと見守り続ける葬儀店のスタッフもまたいい味を出している(笑

後、ずっと森野は何故「森野」としか名前が出てこないのだろう?というのが疑問だった。でもその謎は最後の神田の一言で払拭されるのです・・・!!

素敵な方たちが多い作品です。
是非三部作で読んでみて下さい。

 

MOMENT (集英社文庫)

MOMENT (集英社文庫)

 

 

 

MEMORY (集英社文庫)

MEMORY (集英社文庫)

 

 

春を嫌いになった理由(わけ)感想

誉田哲也 小説


「春を嫌いになった理由(わけ)」
著者:誉田哲也


著者はストロベリーナイト武士道シックスティーン等の代表作を持つ誉田哲也氏で、内容はホラー?ミステリー?な内容だ。
数ある作品の中ではあまり目立つほうではないが、個人的にはかなり名作だと思う。

~あらすじ~
主人公の秋川瑞希(就職浪人中)は、テレビ局で働く叔母の織江に通訳の仕事を持ちかけられる。通訳の相手は超能力者のマリア・エステラ。
瑞希は英語・ポルトガル語を得意としていたので、持ちかけられた話だったが、超能力等を信じていない瑞希としてはかなり気乗りのしない仕事だった。
そんな瑞希もエステラの通訳を介して、どんどんと事件に巻き込まれていく。


正直、最初読んでいる時はあまり気分が良くなかった。
後、途中まで話の流れに付いて行けてなかったというのもあるかもしれない。

瑞希は英語とポルトガル語を得意としているのに、いざ仕事としての通訳をすると「中学生の英語みたいに定型文でつまらない。だから就職浪人なんかするんだ。」とヤジを織江から飛ばされる始末。
エステラの超能力で遺体が発見しても、警察は「自作自演じゃないか」と信じて貰えず終い。

そして、何故か途中から中国人の話が入ってくる(これは読み進めると内容が分かる)
極貧で、なんとか生活を一変する為に密入国を兄妹でし、日本へやってきた。
「テレビ局とか超能力と関係ないじゃん・・・どこで結びつくんだよ」と思っていた。
しかもだ、途中で兄妹が兄の様に慕っていた人が殺されてしまう。
殺され方も普通に刺されてーとか、撃たれてーとかならまだしも
殺され方の描写がグロテスク。怖いよ!!(泣


でも大丈夫、最後はちゃんと綺麗にまとまっているから。
テレビ局も超能力も中国人も全て一つの線に繋がるから。

私も最後は「そう言う事だったのか・・・!!」とつぶやいていた。
これは全てを読みきった人だけに伝わる感情だと思う。どの本もそうだよね。


「春が嫌いになった理由」というタイトルの理由をずっと「エステラや遺体の発見に付き合わされたせい」だとばかり思って読んでいたのだが、ちゃんと理由は最後に説明されております。オチ付きです 笑

誉田哲也さん、引き込んでくるなあ。
今度は有名作も読んでみようかな。

 

インプットとアウトプット


語彙力の乏しさを職場で指摘され、改善する為に読書を始めた。
そして今では図書館通いが休日の過ごし方となりつつある。

そこで今まで読んだ本や漫画の感想を少しずつ書いて残していくことに決めた。
結局、いくら読書をしても、伝える能力や言葉に能力が成長していなければ最終的な目標である「語彙力の成長」には結びつかない。

少しずつ少しずつ綴っていきます。
宜しくお願い致します。

スポンサーリンク