読みを言葉に

図書館へ通い続ける語彙力無子の日記

「田村はまだか」というタイトルのシュールさ


「田村はまだか」
著者:朝倉かすみ

田村はまだか (光文社文庫)

田村はまだか (光文社文庫)

 

インパクトのあるタイトル。
お得意の「ジャケ借り」パターンの一冊。
耳たぶを弄る男性のジャケットが印象的。

~あらすじ~
とあるバーに、小学校時代の同級生たちは集まっていた。
それぞれ家庭を持ったり、誰かに恋していたり、不倫したりと色々な人生を送っているなかでの同窓会。
そこには小学校時代に平凡だが、どこか皆を引き付けていた存在の田村が来ない。
人生の思い出話に花咲かせながら、今か今かと田村を待ちわびる。


一章ごとに主人公が変わるお話。
皆小学校の同級生で、人には言えない様な事も経験してきているというのが伝わってきた。あくまでもその話は小説上には書かれているものの、口に出して語っている訳ではなくて、一人で浸っているという状態だ。
そして章の話が終わる時には「田村はまだか」のセリフ。切り取り線のような役割をしているのが分かる。

しかも本当に不意打ちだなあと思ったのが、ジャケットの男性が田村ではないという事。「特段ジャケットが誰です」という説明書きがあった訳ではないのだけれども、男性が耳たぶを触るしぐさをしている所から判明しました!!笑


田村は何故来ないのか、いつ来るのだろうか。
最後まで気になりっぱなしのお話でした。

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